2021/04/10

日本医科大学ラグビー部部長    中井章人
(日本医科大学多摩永山病院 院長・産婦人科学教室教授)

 日本医科大学は、創立140年を超える我が国最古の私立医科大学で、その卒業生の数は全国一となっています。その中にあって、創部60年を迎える我が伝統のラグビー部は、最も多くの現役医師を輩出しています。 ラグビーは特性の異なる様々なプレーヤーが、それぞれの役割に応じ個々を磨き、最終的にチームとして力を発揮するスポーツです。けっして、身体の大きさや腕力だけに依存したものではなく、緻密な計画や戦略、また、それらを創造する知的能力も求められるスポーツです。 これらは、まさに社会の縮図ということができます。医療現場は今、変換点を迎え、個の医療からチームの医療に変わりつつあります。学生時代にその鍛錬を行い身につけることは、その後の医師としての活動に大いに役立つものです。 また、本学も大きく変わろうとしています。より優秀な人材を求め、さらなる飛躍をめざしています。その中にあって、我がラグビー部が学業、競技、生活の全てにおいて、他の学生の規範となり、その伝統を積み重ねていくことを期待しています。 私たちと共に、よく学び、よく遊び、意義ある学生時代を過ごして下さい。

 



日本医科大学ラグビー部OB会長    
諌山和男
(多摩脳神経外科・脳神経外科)

 日本医科大学入学おめでとうございます。そして、ようこそラグビー部へ。
 日本医科大学ラグビー部は昭和40年関東医歯薬大学ラグビーリーグに参加しました。関東 医歯薬大学ラグビーリーグは、戦前、昭和11年慈恵医大、日大医学部、日大歯学部、慶大 医学部、明治薬科の5校でスタートしましたが、戦争で中断。戦後の再スタートは昭和28 年東邦医大、慈恵医大、日大医学部、昭和医大の4大学によりリーグ戦がもたれ、その後 東京薬科、順天堂医学部、日大歯学部、東京医科歯科大が加わり、昭和40年日本医大、東 京歯科大が加入し計10校でA、Bの2ブロック制となりました。その後、参加校が増え、昭 和62年は33校が参加する5部制の一大ラグビーリーグと発展しました。日本医大のグラン ドの変遷ですが、市川から昭和48年新丸子に移り、整備された新丸子グランドでのラグ ビー活動の成果が見られ、リーグ戦怒濤の8連勝などもあって昭和50年より1部にて上位の 常連として、医歯薬リーグでの雄として君臨してきました。ここ最近は部員数の減少など もあって、2部、3部での戦いが続いています。そして、今は千葉北総病院の敷地にグラン ドを移し、週末は主活動を北総グランドで行い、週日は他大学との合同練習などが組ま れ、ラグビー活動を謳歌しています。 さて、2019ラグビーワールドカップの熱狂は記憶に新しいところです。ラグビー経験者は もちろんラグビーを知らない人々も感動させられた大会でした。ラグビー5大憲章に1品 位、2情熱、3結束、4規律、5尊重があります。ラグビーを体験すると、この5つの言 葉の重さが理解出来てきます。医学部に入学し目標となる医師となり、いろいろな形で医療に貢献する時、個々の力とチームの力でそれが成り立つことに気づきます。まさに、こ のスピリットが医療の場でも具現化するのです。ラグビー経験者は他職種とのコミュニ ケーションも容易にできるという実感があります。ラグビーを通してのみ得られる思いを共有して いるせいかもしれません。 我々OBは医師としての当然の医療活動はもちろんのこと、ラグビー界にてジャパンのチー ムドクターを行うもの、トップリーグ、大学チームなどのチームドクターとして活躍する OBもいます。また他のOBは2019RWCの医療スタッフとしても活動しました。 我々OBは学生諸君の活躍がなりより嬉しいのです。それぞれの時代をラグビーという共 通言語で語りたいと思います。是非、貴重な学生時代をラグビー部とともに過ごしてみて ください。

 

日本医科大学ラグビー部General Managr,監督    金景成
(日本医科大学千葉北総病院 脳神経外科センター 准教授)写真後列向かって左から1番目

 医学部では、驚くほどの勉強が必要です。
 到底、1人でこもってできるものではなく、仲間が必要です。
 医療を行うにも仲間が必要で、時につらいことも仲間がいるから乗り切れます。助けてもらい、助けてあげる、ごくごく普通のことですがつながりが薄くなってしまった昨今では、改めて大事なことだと言う必要があるかもしれません。

 ラグビーは助け合うことが前提で試合が進んでいきます。もちろん、自分の仕事を十分にこなすことも求められますが、そもそも対戦相手は1人の力でどうにかなるものではありません。
 自分の仕事を黙々とこなし、困ってる仲間を助ける、しかしそのためにはより多くの力が求められる、なので隠れて練習する。。幸い、私は日本医科大学ラグビー部でそんな仲間に恵まれました。
 今もなお、高度な医療現場で、昔なじみの相変わらずの面子に、相変わらず助けてもらっています。
信頼できる仲間がいるのはいいですね。

 せっかくこのホームページを開いてくれた皆さま。ぜひ、我々の仲間になって一緒に汗をかき、いい医療者になれるよう一緒に頑張りましょう!

 

 

日本医科大学ラグビー部アドバイザー    田崎篤
(聖路加国際病院・整形外科) ラグビー日本代表(7人制男女)チームドクター

 日本医科大学ラグビー部の心にあるもの
“栄誉は等しい” ラグビーに由来する言葉です。勝利の栄冠はボールを相手と争奪し、つないだ仲間選手へのみならず、スタッフ、応援してくださる方々皆が等しく誇るべき栄誉です。そして同じように身体を張って対戦してくれた相手チーム、スタッフ、レフリーに対しての敬意が自然に生まれてくるのが、ラグビーの力です。
 医療は医師のみならず、携わる全ての専門職の方々、救急隊、そして患者やそのご家族皆の努力で成り立つものです。そして我々医師は、健全な心身と、たゆまぬ努力により培われた知性と医術と精神力で、責任を果たしていきます。強くなりたいもの、努力を惜しまないもの、最良の結果を追求するもの、のみが責任ある立場になっていきます。
 ラグビーは強くなりたい者達の、人生の傍に存在しています。プレーをすればするほど、自らの至らなさや弱さを悔やみ、相手の強さを悟り、謙虚さや敬意が心に生まれます。そして「もっと強くなりたい」思いが弾けます。我々卒業生は、日本医大ラグビー部が安全に活動できる環境作りに最善を尽くします。
 医療の探求に終わりはありません。日々研鑽を積み、身体を鍛え、規律ある行動をとり、勉学に努め、敬意を持って社会と繋がっていく。これは我々の活動と同じです。最高の日常生活を重ねていくことが、勝利への道です。勝利は人の心を動かす力があります。では誰のために勝つのか、それは支えてくださる仲間達のために。
 強いかどうかは問いません。強くなりたい日本医大の仲間達よ、”Honor is equal” 皆で感動の勝利を分かち合いましょう。